影が創る横丁の風景
2017年 05月 19日
影には 単なる ”黒” ではなく 濃淡があるし 色もあります。
物の固有の色の違いがあれば 当然 影の色の違いや濃淡があります。
その バリューを水でコントロールするのは アマチュアには 無理な相談。
(プロの画家達は 5段階の陰影を区別しているそうですが)
比較的簡単に早く 陰影をつける方法は部分ごとに着彩と陰影を同時にするのではなく
(着彩と陰影を同時進行でできるといいのですが、水彩は乾くと明度が変わるので 濃淡の判断が難しく、水の絞り方が難しい)
(1)下塗りの段階では陰影をつけず、環境・風情を淡彩処理して
(2)一度乾かしてから 大量の影色(寒色)をつくり
陰 の部分は水タップリ、
影 の部分は濃い目で
ウォッシュすると 早く・簡単に出来上がります。
余談 :
蛇足になりますが、光学的に言うと 物に ”固有色” というのはおかしな表現で、物に色が有るのではなく 物に光が当たり 反射した色が見える。
従って 自然界の色も形も 光が創っています。
光がなければ 色も形も見えず 只闇黒です。
言い換えれば 「風景画とは光を描く」 ということに他ならない。
学生時代に 光学の権威の方から雑談的に聞いた話です。
風景スケッチするときはいつもこの話を想い出しています。